『ソフトウェアファースト』から読み解くDXの本質|ITを手の内化し顧客価値を生み出す組織になるためにはどうするべきなのか
この記事は、及川卓也氏の書籍『ソフトウェアファースト第2版 あらゆるビジネスを一変させる最強戦略』の内容をもとに、DX・プロダクトマネジメント・IT内製化・組織変革のための要点をJTCのDX部門で働く現職の立場から整理するための備忘録です。
同書は、ソフトウェアを単なる技術や業務効率化の道具ではなく、事業価値と顧客体験を高めるための経営戦略の中核として捉える点が特徴の本であり、DXを生業とするビジネスパーソン必読の一冊となっています。
DXとは何か。
プロダクトとは何か。
なぜITを手の内化しなければならないのか。
なぜ日本企業はソフトウェアで苦戦してきたのか。
そして、これからの企業や個人は何を変えなければならないのか。
これらを、書籍の要点と実務を通じた解釈を交えながら整理していきます。
- DXとは何か|ソフトウェアで人・社会・事業を変えること
- 体験価値が重要な時代|SaaSが示したビジネスモデルの変化
- プロダクトとは何か|顧客課題を解決し、価値を提供するもの
- 技術を価値に変換するのが「プロダクトマネジメント」
- 日本企業がソフトウェアで苦戦してきた理由
- ソフトウェアファーストとは、単なる効率化ではない
- DXにはビジョンとリーダーシップが不可欠
- ITはコスト削減の道具ではない
- ITの手の内化と内製化が必要な理由
- SIerやコンサルとはどう付き合うべきか
- プロダクトディスカバリーとPoCの罠
- 競合は同業他社とは限らない
- PRDとワンページャー|ブレないための道具
- プロダクト戦略はリソース配分との戦いである
- DXを進める組織に必要なマネジメント
- これからのリーダーに求められるもの
- 個人にも組織にも必要なのは「アイデンティティの変化」
- ソフトウェアファーストとは、顧客価値を生み出し続ける組織になることである
DXとは何か|ソフトウェアで人・社会・事業を変えること
勘違いされがちですが、DXとは単なるIT導入ではありません。
DXとは、ITの中でも最も破壊力のあるソフトウェアを使って、人と社会と事業を変革することです。
たとえば飲食業界でデジタル技術を導入する。
注文端末を入れる。
決済をキャッシュレス化する。
予約システムを整える。
在庫管理を自動化する。
こうした取り組み自体は、DXの一部に見えるかもしれません。
しかし、重要なのは「デジタル技術を導入したかどうか」ではありません。
本当に問われるべきは、顧客体験を向上させようとしているかどうかです。
うまくいけば、人件費やオペレーションコストを抑えながら、顧客満足度を高め、利益を出すことができます。
一方で、解くべき課題を見誤れば、むしろ現場の負担とシステムの維持費が増えます。
使いこなせないツールが増え、逆に人手が必要になることすらあります。
つまり、DXにおいて最も危険なのは、技術導入そのものが目的化することです。
そして、こうしたことはDXに限らずビジネス全般に共通する内容です。
逆に、DXだからと言って特別なことはなく、「手段と目的を混同しない」という当然の姿勢が最も重要です。
メディアで注目される先進的な取り組みに憧れること自体は悪くありません。
ただし、本当に解決すべき顧客課題や事業課題を見誤れば、いくら高度な技術を導入しても意味がありません。
DXとは、ソフトウェアによって顧客価値と事業価値を創出することです。
先ずはこの点を強く意識することが重要です。

体験価値が重要な時代|SaaSが示したビジネスモデルの変化
現代は、体験価値が重要な時代です。
かつてのソフトウェアは、「購入/インストールして完結するもの」という感覚が強くありました。
しかし、SaaSの登場によって、ソフトウェアの価値提供は大きく変わりました。
SaaSは、単に機能を売るものではありません。
継続的に顧客体験を改善し、アップデートし続けることで、顧客に使い続けてもらうモデルです。
かつてWindows Vistaの最大のライバルがWindows XPだったように、ソフトウェアの価値は、単に新しいかどうかでは決まりません。
ユーザーにとって使いやすいか。
業務や生活の中で価値を発揮するか。
継続して改善されるか。
そこが問われます。
つまり、ソフトウェアビジネスの本質は、売り切りではなく、顧客体験を継続的に高めることにあります。
この考え方は、SaaS企業だけに関係するものではなく、あらゆる企業と部署に必要です。
なぜなら、顧客はすでに日々アップデートされる優れたデジタル体験に慣れているからです。
自社の競合は、もはや同業他社だけではありません。
顧客が日常的に触れている、便利で、速くて、分かりやすいサービスすべてが比較対象になります。
そのため、DXを生業とする人間には、業界や業種に囚われず、幅広く柔軟に考える視点と思考力が求められます。
プロダクトとは何か|顧客課題を解決し、価値を提供するもの
プロダクトという言葉を聞くと、多くの人は「製品」や「アプリ」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、プロダクトは物理的な製品に限りません。
顧客を理解し、市場を調査し、課題を特定し、その課題を解決するためのアウトプットすべてがプロダクトです。
言い換えるなら、顧客価値の提供とその価値向上に寄与するものはすべてプロダクトとして捉えられます。
たとえば、以下も広い意味ではプロダクトです。
- 顧客向けアプリ
- 業務システム
- 社内ポータル
- 申込フォーム
- 店舗体験
- カスタマーサポート
- 人的リソースを多く使うサービス
- ガスや電気の利用体験
- 契約・請求・問い合わせの一連の導線
重要なのは、「モノ」そのものではありません。
それが、「誰のどんな課題を解決しているか」こそが重要です。
ここを見誤ると、企業は「自分たちは何を売っているのか」を誤解します。
ガス会社はガスを売っている。
鉄道会社は移動を売っている。
航空会社は座席を売っている。
小売は商品を売っている。
これは表面的には正しいですが、本質ではありません。
本当に見なければならないのは、顧客がそのプロダクトを通じて何を得ているのかです。
立場や役職に関わらずこの点を常に意識し、「自分たちが提供する価値」を見誤らないようにすることを心掛ける必要があります。
技術を価値に変換するのが「プロダクトマネジメント」
技術は、それだけでは価値になりません。
AI、クラウド、IoT、アプリ、データ分析。
どれだけ先進的な技術であっても、それが顧客課題の解決に結びついていなければ、価値は生まれません。
そこで重要になるのが、プロダクトマネジメントです。
プロダクトマネジメントとは、技術を顧客価値と事業価値に変換する営みです。
プロダクトマネージャーは、単に機能要望を整理する人ではありません。
開発チームに指示を出すだけの人でもありません。
プロジェクトを進行管理するだけの人でもありません。
本来のプロダクトマネージャーは、以下のような役割を担う存在です。
- 事業のビジョンと戦略を明確にする
- 顧客の課題を捉える
- 市場を理解する
- 解決すべき課題を選ぶ
- チームの活動をコーディネートする
- 技術・UX・ビジネスのバランスを取りながら意思決定する
特に重要なのは、技術的に可能でビジネス的に儲かっても、ユーザー体験を損なうなら実装しないという判断です。
これは簡単ではありません。
技術者は作れるものに惹かれます。
事業側は儲かるものに惹かれます。
しかし、顧客にとって本当に価値があるかどうかは、別の問いです。
プロダクトマネジメントは、そのバランスを取り続ける仕事です。
日本企業がソフトウェアで苦戦してきた理由
日本企業がソフトウェアで苦戦してきた理由の一つは、製造業での成功体験に強く引っ張られてきたことです。
製造業のベストプラクティスは、乱暴に言えば、検討を重ねて作成した図面通りに、品質高く製品を複製することです。
この考え方は、ハードウェアの世界では非常に強力でした。
設計を詰める。
品質を作り込む。
不良を減らす。
計画通りに製造する。
販売と製造を分ける。
こうした思想が、日本の製造業を強くしてきました。
しかし、ソフトウェアでは事情が違います。
ソフトウェアには、「図面をもとに製品を大量複製する」という工程がありません。
作って終わりでもありません。
むしろ、運用しながら改善し続けることが重要です。
使われる中で、顧客の行動が見える。
改善点が見える。
想定外の使われ方が分かる。
そのフィードバックを取り込み、プロダクトを改良する。
これこそがソフトウェアの強みです。
だから、ソフトウェア開発に製造業的な「最初に全部決め切る」思想をそのまま持ち込むと、うまくいかないことがあります。
ウォーターフォール開発は、手戻りが許されない領域では有効です。
しかし、ソフトウェア開発では、仕様変更は日常茶飯事です。
だからこそ、手戻りを完全に防ぐのではなく、手戻りを前提としてプロセスに組み込むことが重要になります。
ただし、ここで誤解してはいけないのは、製造業の思想がすべて間違っているわけではないということです。
品質を高める意識は重要であり、外部部品の品質を厳しく見るように、ソフトウェアでも外部サービスやベンダー品質を見極める必要があります。
そして、問題は製造業の成功要因をそのまま持ち込むことではなく、どの品質を重視しているのかを見誤ることです。
顧客に意味のある品質。
顧客体験を良くする品質。
事業価値を高める品質。
魅力品質につながる品質。
そこを強く見極めることこそが重要です。
ソフトウェアファーストとは、単なる効率化ではない
ソフトウェアファーストとは、単に業務を効率化することではありません。
単なるペーパーレス化や既存業務のシステムへの置き換えではなく、ソフトウェアの考え方を事業の中核に置き、事業そのものを変革することです。
そのためには、以下の対応が肝要です。
- 顧客ニーズを継続的に取り込む
- 開発体制を変える
- 組織風土を変える
- 変化に対応できる状態にする
- 技術を手の内化する
- 顧客価値を最大化し続ける
本書の中でも、「ソフトウェアは単なる技術的な選択ではなく、企業戦略の根幹に据えるべき考え方」と紹介されています。
つまり、ソフトウェアファーストとは、IT部門だけの話ではなく、経営であり、組織であり、人材育成の話であり、顧客価値をどう作り続けるかという事業の話そのものです。
DXにはビジョンとリーダーシップが不可欠
ここまで書いてきたように、DXは「変革」です。
変革である以上、単に現場が頑張るだけでは不十分です。
トップが、自分の言葉でビジョンと方針を示す必要があり、全社員に対して「なぜ変わるのか」「何を目指すのか」を伝えることが成功の鍵です。
- 事業ビジョンの明確化
- 強いリーダーシップ
- 必要な専門能力の獲得と発揮
既存業務やビジネスモデル、プロセスをITによって変革するには、強い意思と忍耐強さが必要です。
ただし、スピードだけが善ではありません。
スタートアップが証明しているように、DXはスピードが重要です。
しかし、既に組織やカルチャーが固まっている大企業やJTCにおいては、組織の段階や風土に合った推進が不可欠です。
目指すべきは、他社最速ではなく自己最速です。
自社の組織風土、既存業務、社員の理解度、技術人材の状況を踏まえたうえで、最速で進める。
外部の知見者や経験者を招聘することも重要ですが、それと同じくらい社内との調和も重要な要素となります。
結局、組織として一枚岩になって進めることに勝るものはありません。
そのためには、トップダウンとボトムアップによる以下の周知徹底が必要不可欠となります。
- 全体目標
- ビジョン
- 強いリーダーシップ
- 個々人の主体性
- 組織内の共感
ITはコスト削減の道具ではない
日本企業でありがちな誤解として、「ITをコスト削減の手段としてだけ見ている」ということがあります。
もちろん、ITによってコスト削減は可能です。
省力化もできます。
効率化もできます。
しかし、それだけでは不十分です。
ITは、新しい顧客価値を生み出すための武器です。
ITを単なるコスト削減手段として見る組織と、ソフトウェアを事業成長の武器として活用する組織では、差が開いていきます。
本書においても、日本企業はITを単なる業務効率化ツールとして捉え、外部ベンダーに丸投げした結果、IT活用ノウハウが社内に蓄積されなかったという問題が指摘されています。
ここに、日本企業の大きな課題があります。
企業とベンダー双方が「低位安定」してしまう。
発注側はITを分からないまま丸投げする。
ベンダー側は工数と人月で請ける。
複雑な要件と個別カスタマイズが増える。
結果として、事業会社の効率化や成長と逆行する。
この構造を変えなければなりません。
そして、DXを専門として取り扱う人間には、この点を常に意識し根気強く取り組む気概とブレない軸が必要です。

ITの手の内化と内製化が必要な理由
ソフトウェアファーストの根幹は、ITの手の内化です。
ITの手の内化とは、単にエンジニアを採用することではありません。
自社が、何を作るのか、なぜ作るのか、どの技術を使うのか、どう改善していくのかを、自ら判断し制御できる状態にすることです。
そのためには、一定の内製化が必要になります。
ITの内製化とは、プロダクトの企画・開発・運用を社内で完結、または主導できる状態に近づけることです。
内製化の価値は、開発費を下げることではありません。
本当の価値は、仮説検証速度が上がることにこそあります。
自社で作り、自社で運用し、自社で顧客の反応を見て、自社で改善する。
このサイクルが回ると、学びが社内に蓄積されます。
失敗も資産になります。
試行錯誤も資産になります。
顧客理解も資産になります。
外部に丸投げすると、この学びが社内に残りません。
だからこそ、手の内化が必要となります。
SIerやコンサルとはどう付き合うべきか
とはいえ、すべてを自社だけでやるのは現実的ではありません。
SIerや外部ベンダーの専門知識を活用することは重要です。
ただし、付き合い方を間違えてはいけません。
自社のコア業務や競争力に関わる部分をすべて外に出してしまうと、自社には何も残りません。
外部委託とは本来、自社のコアコンピタンスに関わらない業務を、コスト削減などを目的として外部に出すものです。
逆に言えば、外部委託している業務は、コアではないという位置づけであるべきです。
つまり、DXの中核にあるソフトウェアやプロダクト開発を丸ごと外に出してしまうと、自社の変革力そのものを外に渡すことになります。
SIerやコンサルと付き合う場合は、以下を強く意識することが不可欠です。
- SIer・コンサルの専門知識を活用する
- 内製と外注のバランスを取る
- コア業務は流出させない
- プロジェクトの透明性と一貫性を担保する
- 知識や経験を自社に移転する
- 自社が決定権と制御権を持つ
- 請負ではなく、必要に応じて準委任型の関係も検討する
外部の力を借りること自体は問題ではありません。
自社が何を作るかを判断/決められない状態になることが問題です。

プロダクトディスカバリーとPoCの罠
組織の方向性とビジョンが定まったら、次に必要なのはプロダクトディスカバリーです。
プロダクトディスカバリーとは、顧客の課題を発見し、それを解消する製品やサービスを構想することです。
ここで最も重要なのは、課題の特定です。
- 顧客の真の課題は何か
- その課題は本当に解く価値があるのか
- 技術はその課題解決に適しているのか
- 十分なマーケットが存在するのか
- 事業価値と顧客価値の両方があるのか
これを見極める必要があります。
PoCを含めた取り組みも同様です。
- 何を実証するのか
- 実証できたら次に何をするのか
- 失敗したら何を学ぶのか
- 事業化判断にどうつなげるのか
これらを事前に決めておかなければなりません。
仮説の設定と検証に基づく改善を進める中でよくある失敗は、PoCそのものが目的化することです。
「何か新しいことをやった」
「AIを使った」
「アプリを作った」
「実証実験をした」
これだけでは意味がありません。
重要なのは、ビルドトラップ(作ること自体が目的になってしまう罠)を避けることです。
本当に大事なのは、モノではありません。
それが提供する価値です。
そのことを忘れないでください。
競合は同業他社とは限らない
社内や自組織に閉じた話に加えて、プロダクトマネジメントにおいて重要なのは競合の捉え方です。
競合は、必ずしも同業他社ではありません。
航空会社の競合は、他の航空会社だけではありません。
移動せずに会議ができるTeamsやZoomも競合になり得ます。
スマホゲームの競合は、他のゲームだけではありません。
余暇を奪い合うNetflixやYouTubeやSNSも競合になり得ます。
つまり、顧客の時間、注意、予算、行動を奪い合うものは、広い意味で競合です。
だから、競合が新機能を出したからといって、すぐ追従する必要はありません。
考えるべきは、本質的な課題と価値です。
- その機能はどんな課題を解消しているのか
- 自社の顧客も同じ課題を抱えているのか
- 自社が解くべき課題なのか
- 自社ならどう違う価値を出せるのか
競合が業界の外にいるなら、同業他社と手を組む選択肢もあります。
大事なのは、顧客が使うすべての手段を見渡し、その弱点を理解し、自社がどう価値を出すかを幅広い視点から柔軟に考えることです。

PRDとワンページャー|ブレないための道具
プロダクトづくりで重要なのは、何よりブレないことです。
何を、なぜ、誰のために実現するのか。
これが曖昧になると、プロダクトは簡単に迷走します。
そのための骨子となるのが、PRD(製品要求仕様書)です。
PRD、つまり製品要求仕様書は、開発開始前に一度書いて終わりの文書ではありません。
開発とともに書き足し、育てていくリビングドキュメントです。
また、Amazonでは製品開発前にプレスリリースを書く、いわゆるWorking Backwardsの考え方が知られています。
この考え方の本質は、作り始める前に「顧客にとって何が嬉しいのか」を明確にすることです。
どんな機能を作るかではなく、顧客にどんな価値が届くのか。
それを先に言語化する。
これは、プロダクトづくりにおいて非常に重要な考え方です。
プロダクト戦略はリソース配分との戦いである
プロダクト戦略とは、結局のところリソース配分との戦いでもあります。
何をやるか。
何をやらないか。
どこに人を張るか。
どこに投資するか。
どの顧客課題を優先するか。
すべては選択と集中です。
多くの組織では、やりたいことが多すぎます。
しかし、人も時間もお金も有限です。
だからこそ、プロダクトビジョンが必要です。
ビジョンがなければ、意思決定がぶれます。
声の大きい人の要望に流されます。
短期的な都合に引っ張られます。
競合の動きに振り回されます。
ブレない意思決定を行うためには羅針盤が必要であり、それがプロダクトビジョンです。
DXを進める組織に必要なマネジメント
DX化を進めるには、トップの強力なコミットメントが必要です。
そして、技術に明るい経営陣が必要です。
ただし、トップだけでは変革は進みません。
その下にいるマネージャーの役割が非常に重要です。
マネージャーは主役ではなく、プレイヤーです
- プレイヤーが活躍できる環境を整える
- 方針と現場をつなぐ
- チームの障害を取り除く
- 適切なタイミングで評価し、成長を促す
- 組織の魅力を高める
- 優秀な人材が集まる状態を作る
マネージャーの本来の役割は、本来こうしたことです。
組織を強くし事業を成長させ、対外的な優位性を保つこと。
そしてそれと同じくらい、組織そのものの魅力を高めることも重要です。
優秀な人材が集まらない組織に、DXはできません。
そして、優秀な人材を集めることが一朝一夕でできないからこそ、組織と人材を育成することが重要です。

これからのリーダーに求められるもの
マネジメントの方法論や成功法則は数多くありますが、これからの時代に求められるリーダー像は、概ね以下に分類されます。
- 変革型リーダーシップ
- サーバントリーダーシップ
- オーセンティックリーダーシップ
共通しているのは、上から命令するだけのリーダーではないということです。
部下の成長を支援する。
自発的な活動を促す。
チームの力を引き出す。
自分の言葉でビジョンを語る。
誠実に、透明性を持って振る舞う。
DX時代のリーダーには、こうしたあり方が求められます。
特に重要なのは、多様性とミッションの関係です。
昨今その存在が取り沙汰されている通り、多様性は重要です。
ただし、その前提には、同じミッションや目標に共感していることが必要です。
同じゴールに向かうからこそ、多様な視点が意味を持ちます。
同じ方向を向いていない多様性は、単なる分散になります。
そのため、メンバー選定や組織構築時に、「ミッションや目標に共感している」という前提を持つ人材を登用し育成することが何より重要となります。

個人にも組織にも必要なのは「アイデンティティの変化」
例えば、「禁煙する」という目標を持つよりも、「自分は非喫煙者である」というアイデンティティを持つほうが、行動は変わりやすい。
これは個人にも組織にも当てはまります。
DXを進める企業に必要なのは、「DX施策をやる」ことではありません。
必要なのは、自分たちはソフトウェアで顧客価値を生み出す会社であるというアイデンティティを持つことです。
ソフトウェアを外部に丸投げする会社ではない。
ITをコスト削減の道具としてだけ見る会社ではない。
顧客課題を見つけ、仮説検証し、改善し続ける会社である。
そういう自己認識を持つことが何より重要です。
個人も同じです。
自分は変革に関わる人間である。
顧客価値を考える人間である。
自分の仕事を通じて、組織を前に進める人間である。
そうしたアイデンティティを持てるかどうかが、自分自身の行動を変えるための大きな力となります。

ソフトウェアファーストとは、顧客価値を生み出し続ける組織になることである
『ソフトウェアファースト』から学べることは、単にITを内製化しましょう、アジャイルを導入しましょう、プロダクトマネジメントを学びましょう、という話ではありません。
ソフトウェアファーストとは、ソフトウェアの進化スピードと柔軟性を武器に、顧客価値と事業価値を生み出し続ける組織になることです。
そのためには、以下が非常に重要となります。
- DXを単なるIT導入で終わらせない
- 顧客体験を中心に考える
- プロダクトを価値提供の単位として捉える
- 技術を価値に変換するプロダクトマネジメントを持つ
- ITを手の内化する
- 外部ベンダーに丸投げしない
- 顧客課題を発見し続ける
- PoCを目的化しない
- プロダクトビジョンを持つ
- リソース配分を意思決定する
- 組織とリーダーシップを変える
- 多様性を同じミッションのもとで活かす
DXとは、システムを入れることではありません。
ソフトウェアによって、事業と組織と顧客体験を変えることです。
そしてそれは、外部の誰かが代わりにやってくれるものではなく、内部の人間が、自分たちの事業と顧客を理解し、自分たちの手で変えていくしか道はありません。
これこそが、ソフトウェアファーストの本質であり、DXに関わるビジネスマン全員に意識して欲しい真実です。
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