コンサルタントに必要な資質

言語化する習慣で仕事ができるようになる理由

tsumakawa

仕事ができる人」と聞いて、あなたはどんな人を思い浮かべるでしょうか。

頭の回転が速い人。
資料作成がうまい人。
判断が早い人。

どれも間違っていません。
ただ、これらの共通点をさらに分解していくと、ある一つの能力に行き着きます。

それが、言語化する力です。

ここで言う言語化とは、単に「話がうまい」「文章が書ける」という意味ではありません。

自分の中にある違和感や感情、うまく説明できないモヤモヤを、丁寧に見つめ、形のある言葉にしていく力のことです。

この習慣を持っているかどうかで、仕事の質も、評価のされ方も、成長のスピードも、驚くほど変わります。


言語化は「アウトプット」ではなく「思考の作業」

多くの人は、言語化を「アウトプット」だと思っています。

  • 会議で発言すること
  • 文章を書くこと
  • 資料にまとめること

もちろん、それも言語化の一部です。

しかし、本質はもっと手前にあります。

言語化とは、

  • なぜか引っかかっている違和感
  • うまく言えないけど気持ち悪い感覚
  • 理由は分からないが納得できない判断

そうした言葉になる前の感情や感覚を、そのまま放置せずに掴みにいく行為です。

「なんとなく嫌だ」
「たぶんおかしい」

この“なんとなく”を、「どこが」「なぜ」「どういう点で」おかしいのかまで分解する。

この作業そのものが、思考の質を一段引き上げます。


皆が感じているが、言葉にできていないものを動かす力

仕事が停滞する場面の多くは、「誰も問題に気づいていない」わけではありません。

実際には、

  • なんとなくおかしいと皆感じている
  • でも、うまく説明できない
  • だから、触れないまま流れていく

この状態が続いています。

ここで言語化できる人が一人いるだけで、状況は変わります。

  • 「これ、◯◯が原因で詰まっていませんか?」
  • 「本当は△△が論点なのに、違う話をしていませんか?」

こうした言葉は、新しいアイデアというより、皆が薄々感じていたことを可視化しているだけです。

しかし、課題や問題は、表面に出て初めて、解決の対象になります。

言語化は、物事を前に進めるための「きっかけ」を作る行為なのです。


成果は「課題設定の質」でほぼ決まる

ビジネスの成果は、努力量や実行力だけで決まるわけではありません。

むしろ、

  • 何を課題だと捉えたか
  • どこに問題の本質があると定義したか

この初期の問題設定の質が、結果の8割を左右します。

ズレた課題設定のまま、どれだけ頑張っても、

  • 的外れな改善
  • 無駄な施策
  • 疲弊する現場

が生まれるだけです。

そして、この課題設定の精度を上げる唯一の方法が、違和感を言語化し続けることです。

言語化を習慣にしている人は、

  • 「本当に解くべき問題は何か」
  • 「今、何を見落としているか」

これらを無意識のうちに考えています。

結果として、少ない打ち手でも、的確に成果を出せるようになります。


言語化できない人ほど「仕事が雑」になる理由

基本的に、言語化の習慣がない人は仕事が雑になりやすい傾向にあります。

なぜなら、

  • 判断の理由を説明できない
  • 失敗の原因を特定できない
  • 改善点を再現可能な形で残せない

からです。

一方、言語化する人は、

  • なぜうまくいったのか
  • なぜうまくいかなかったのか
  • 次は何を変えるべきか

これらをを言葉として残します。

これが積み重なると、経験が「ただの経験」で終わらず、知見として蓄積されていきます

仕事ができるように見える人の正体は、経験値が多い人ではなく、経験を言語として回収してきた人です。


言語化の力は、才能ではなく「姿勢」で決まる

言語化というと、「語彙が豊富な人」「文章がうまい人」「頭の回転が速い人」など、そういった“才能寄り”の能力だと思われがちです。

しかし実際には、言語化の力を分けているのは才能ではありません。
もっと地味で、もっと日常的なものです。

それは、物事に向き合う姿勢です。

たとえば、

  • 自分の中に生まれた違和感を、そのまま流さない
  • 「よく分からない」を曖昧なまま放置しない
  • 考えが途中で面倒になっても、そこで思考を止めない

こうした態度を取れるかどうか。

言語化が得意な人は、特別な能力を持っているのではなく、分からない状態に耐えることを、日常的にやっているだけです。

逆に言えば、違和感を「まあいいか」で終わらせる癖がついていると、どれだけ勉強しても言語化の力は伸びません


言語化の筋力は、日常の小さな動作で鍛えられる

言語化というと、日記を書いたり、長文を書くトレーニングを想像する人も多いですが、そこまで大げさなことは必要ありません。

むしろ重要なのは、日常の思考の扱い方です。

たとえば、

  • 会議が終わったあとに「結局、何が一番引っかかったのか」を一言だけ書き留める
  • うまくいかなかった仕事を振り返るときに「事実」「感情」を意識的に分けて書いてみる
  • 誰かの発言にモヤっとしたとき「なぜ自分はそう感じたのか」を一段だけ深掘る

これだけでも十分です。

ポイントは、正しい言葉を探そうとしないこと

最初は、拙くていい。
むしろ拙い言葉の方が、本音に近いことが多い。

こうした小さな積み重ねが、「言葉にできない状態」を徐々に減らしていきます。

気づけば、

  • 考えが整理されるスピードが上がり
  • 話の要点を掴むのが早くなり
  • 説明がシンプルになる

という変化が起きます。

これが、言語化の筋力がついてきたサインです。


言語化できる人が、最終的に選ばれる理由

仕事の場面で評価される人は、必ずしも一番業務を回せる人ではありません。

実際に選ばれるのは、以下のような人です。

  • 問題にいち早く気づき
  • 論点を整理し
  • 周囲が理解できる言葉で示せる人

言語化できる人は、問題が起きてから動くのではなく、問題になりそうな兆しを言葉にし、周囲を巻き込んで方向を揃えることができます。

だから結果として、「あの人がいると物事が前に進む」「あの人に相談すれば整理される」という評価を得ることに繋がります。

それは、声が大きいからでも、目立つからでもありません。

物事を前に進める“使える言葉”を持っているからです。

言語化とは、

  • 自分の思考を整えるための技術であり
  • 他者と共通理解を作るための技術でもある

極めて実務的なスキルです。


おわりに:違和感を拾える人が、成長する

仕事ができるようになりたいと思ったとき、新しいスキルやノウハウを学ぶ前に、一つだけ意識してほしいことがあります。

それは、自分の中に生まれた違和感を、雑に扱わないこと

違和感は、問題の芽であり、思考の入口であり、成長のサインです。

言語化する習慣は、

  • 問題設定の質を上げ
  • 判断の精度を高め
  • 結果として成果につながる

非常に再現性の高い力です。

今日一日を振り返って、なんとなく引っかかったことを一つだけ思い出してみてください。

そして、それを短い言葉でいいので書いてみる。

その小さな一歩から、仕事の見え方は、確実に変わり始めます。

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経営コンサルタント
外資系コンサルティングファームで経営コンサルタントとして働く30代。 これから「コンサルタント」というキャリアそして人生を目指す学生、社会人に向けコンサルタントという世界で生き抜くための考え方やおすすめの書籍情報を執筆中。
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