コンサルタントに必要な資質

適用と成長の違い。適用することに再現性はないが、成長することで再現性が生まれる

tsumakawa

私たちは日々、「成長したい」「成長しているはずだ」と考えながら働いています。
新しい仕事を覚えた。成果が出た。評価された。
それらは一見すると、すべて「成長」のように見えます。

しかし、あとになって気づくことがあります。

あの環境ではできたのに、場所が変わったら通用しなかった。

同じ成果を、もう一度出そうとしても再現できない。

そのとき初めて、こう疑問が浮かびます。

あれは本当に成長だったのか?

この記事では、適用と成長に関して、以下の点を解説していきます。

  • 適用成長を明確に区別・定義し
  • なぜ適用には再現性がなく、成長には再現性が生まれるのか
  • 成長するために何を意識すべきか
  • 自分が本当に成長できているかを見極めるサイン

1. 適用とは何か

環境に「合わせられる」状態

まず、成功と混同されがちな「適用」を定義します。

適用とは、特定の環境・人・ルール・前提条件のもとで、うまく立ち回れるようになることです。

例えば、以下のようなイメージです。

  • 上司の好みを理解して、評価される動きができる
  • 特定の業界・会社の文脈で成果を出せる
  • 決まったフォーマット・ルールの中で、ミスなく仕事ができる

これらはすべて「適用」です。

適用は、決して悪いものではありません。
むしろ、仕事をする上で必須の能力です。

問題は、適用を成長だと勘違いしてしまうことにあります。


2. 成長とは何か

環境が変わっても「通用する力」が増えること

一方で、成長を定義するとこうなります。

成長とは、環境や条件が変わっても通用する思考・判断・行動の「抽象度」が上がることです。

  • 初めての環境でも、何を見ればいいかが分かる
  • 正解がない状況でも、仮説を立てて動ける
  • 過去の経験を、別の文脈に転用できる

つまり、再現性があるのです。

同じことを繰り返せる、という意味ではありません。
違う状況でも、似た構造を見抜き対応できる
これが成長です。


3. なぜ「適用」は成長と勘違いされやすいのか

適用が成長と誤認されやすい理由は、とてもシンプルです。

  • 短期的に成果が出る
  • 周囲から評価されやすい
  • 自分でも「できるようになった感覚」が強い

特に、「優秀な上司・整った組織・分かりやすいルール」が揃っている環境では、適用するだけで成果が出ます

すると人はこう思ってしまいます。

自分は成長し実力がついている

しかしその成果は、環境の再現性があって初めて成立している可能性があります。

環境が変わった瞬間に崩れるなら、それは成長ではなく、適用だったということです。


4. 適用には再現性がない理由

適用には、構造的に再現性がありません

なぜなら、適用は以下のような固有の要素と深く結びついているからです。

  • 暗黙の前提
  • 特定の人間関係
  • 独自の文化・評価軸

本人が無意識のうちに、「この人には、こう言えば通る」「この会社では、これが正解」というローカルルールに最適化している。

そのため、別の環境では「なぜうまくいかないのか分からない」という状態に陥ります。


5. 成長が再現性を生む理由

成長している人は、「やり方」ではなく「構造」を見ています。

  • なぜこの施策はうまくいったのか
  • 何が本質的な成功要因だったのか
  • 環境依存の要素は何で、普遍的な要素は何か

この分解ができるようになると、環境が変わっても、人が変わっても、ルールが曖昧でもゼロから立ち上げ直す力が生まれます。

これが再現性の正体です。


6. 成長するために意識すべきこと

① 成果ではなく「判断理由」を言語化する

うまくいった理由を、「運がよかった」「指示通りやった」で終わらせない。

  • なぜその判断をしたのか
  • 他の選択肢は何だったのか
  • 何を捨てて、何を取ったのか

ここを言語化することで、経験が資産になります。

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② 環境依存要素を切り分ける

成果を振り返るとき、必ず以下の点を自分自身に問いかけてください。

  • この成果は、自分の力か
  • それとも環境の力か

これは自分を卑下するためではありません。
再現できる部分とできない部分を区別するための重要な問いです。

成果に対する環境要因が大きければ大きいほど、自分の能力や成長が寄与する部分は減ります。

それを冷静に見極め、「できること/できないこと」「自分自身の能力」を正しく認識することが重要です。


③ うまくいかなかった理由を抽象化する

失敗は、成長の最大の材料です。

ただし、「自分はダメだ」で終わらせてしまっては何も残りません。

  • どの前提が間違っていたのか
  • 何を読み違えたのか
  • 次に変えるべき変数は何か

ここまで考えられて初めて、失敗が成長に変わります。

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7. 「成長できている」サイン

では、自分が本当に成長できているかどうか。
以下のサインが増えてきたら、かなり健全です。

  • 初見の状況でも、過度に焦らなくなった
  • 「まず何を確認すべきか」が分かる
  • うまくいかなくても、次の一手を考えられる
  • 成果が出たとき、理由を説明できる
  • 他人の成功・失敗から学べるようになった

逆に、以下のような状態が続くとすれば、成長ではなく適用に留まっている可能性があります。

  • 環境が変わると極端にパフォーマンスが落ちる
  • 再現しようとすると言語化できない
  • 「前はできたのに」という言葉が増える

8. 適用を否定する必要はない

誤解してはいけないのは、適用そのものは悪ではないということです。

仕事をする以上、まずは環境に適用しなければ成果は出ません。

大切なのは、適用で終わらせないことであり、適用した経験を、「構造として理解/抽象化し、別の文脈へ持ち出せること」が重要です。

ここまでやって初めて、成長になります。


適用と成長を混同しないために

  • 適用:特定環境でうまくやれること(再現性は低い)
  • 成長:環境が変わっても通用する力が増えること(再現性がある)

成果が出ているときほど、これは適用か?成長か?と自分に問いかけることが重要です。

成長とは、派手な変化ではありません。

どこに行っても、また一から立ち上がれる自分になっていくこと。

それこそが、長期的に価値を持ち続ける、本当の成長です。

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経営コンサルタント
外資系コンサルティングファームで経営コンサルタントとして働く30代。 これから「コンサルタント」というキャリアそして人生を目指す学生、社会人に向けコンサルタントという世界で生き抜くための考え方やおすすめの書籍情報を執筆中。
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