逃げの転職と攻めの転職の違い。両者を分ける決定的な違い
転職の話になると、よくこんな言葉が出てきます。
「それ、逃げじゃない?」
「どうせなら攻めの転職をしよう」
ただ、この議論の多くはどこか雑で、
逃げ=悪、攻め=善
という単純な価値観で語られがちです。
でも、現実はそんなに単純ではありません。
逃げることで人生が良くなる人もいるし、攻めたつもりが、結果的に同じ苦しさを繰り返す人もいます。
この記事では、行動の見た目ではなく思考の中身に焦点を当てて、
- 逃げの転職とは何か
- 攻めの転職とは何か
- その違いが、なぜ結果を大きく分けるのか
上記を整理していきます。
逃げの転職・攻めの転職の定義
まず、言葉の定義をはっきりさせます。
ここで言う 逃げの転職 とは、以下のようなものを指します。
「今の環境がつらい・苦しい・耐えられない」
という状態から抜け出すこと自体を主目的にした転職
一方で 攻めの転職 とは、以下のような意識と行動を指します。
より良い人生に近づくために、
必要な環境・仕事・経験・報酬・裁量を
取りに行くことを目的にした転職
重要なことは、逃げ=悪、攻め=善ではないという前提です。
火事の家から逃げるのは、正しい判断です。
心身が壊れる環境から離れるのも、立派な選択です。
問題になるのは、「逃げること」そのものではなく、逃げた“あと”を考えているかどうかです。
逃げの転職が失敗しやすい構造
逃げの転職がうまくいかないケースには、共通した構造があります。
それは、
- 何が嫌かは語れる
- 何を避けたいかは明確
- でも、何が欲しいかは言語化できていない
という状態です。
たとえば、
- 上司がきつい
- 残業が多い
- 評価が不公平
- 精神的にしんどい
こうした理由で転職すること自体は、何も悪くありません。
ただし、以下を必ず自問自答すべきです。
「じゃあ次は、どんな環境ならうまくいくのか?」
「自分は、どんな条件が揃えば力を出せるのか?」
ここが曖昧なままだと、転職は運ゲーになります。
結果として、
- たまたま合えば成功
- また合わなければ再転職
という状態を繰り返します。
このときの成功確率は、正直に言って 最大でも50% です。
なぜなら、判断基準が「嫌かどうか」しかないからです。
攻めの転職に必要な資質①
自分の頭で考えて、言語化する力
攻めの転職に必要な最初の資質は、自分の頭で考えそれを言語化する力です。
これは、学歴や地頭の話ではありません。
- なぜ今の環境が合わなかったのか
- どこが苦しく、どこは耐えられたのか
- 逆に、どんな瞬間は少し楽だったのか
こうした体験を、「感情」ではなく「構造」として整理できるかどうか。
たとえば、
- 「人が嫌だった」ではなく「指示が曖昧なまま詰められる関係性がつらかった」
- 「仕事が向いていなかった」ではなく「スピード重視で雑でもOKな文化が、自分の価値観と合わなかった」
このレベルまで言語化できると、次に選ぶ環境の精度が一気に上がります。
言語化できない人は、転職理由が毎回「なんとなく」になります。
言語化できる人は、転職のたびに再現性が生まれます。
攻めの転職に必要な資質②
仮説を持って「より良い人生」に必要なものを見極めていること
二つ目の資質は、仮説を持っていることです。
ここで言う仮説とは、
「自分は、こういう条件が揃えば、今より良い人生になるはずだ」
という暫定的な答えです。
完璧である必要はありません。むしろ、外れてもいい。
重要なのは、
- 年収か
- 時間の余裕か
- 裁量か
- 人間関係か
- 社会的意義か
「今の自分にとって、優先順位が高いものは何か」を自分なりに決めていることです。
逃げの転職では、「とにかく今よりマシならいい」という基準になりがちです。
攻めの転職では、「今の自分は、これを取りに行くフェーズだ」という仮説があります。
この仮説があることで、
- 企業選び
- 職種選び
- 条件交渉
- 内定の意思決定
すべてに一貫性が生まれます。
なぜこの2つが「逃げ」と「攻め」を分けるのか
この2つの資質があるかどうかで、転職の性質は大きく変わります。
- 言語化できる
- 仮説を持っている
この状態で転職すると、たとえきっかけが「逃げ」だったとしても、実態は攻めの転職になります。
逆に、
- 感情のまま辞める
- なんとなく次を選ぶ
この状態では、どれだけ条件が良さそうに見えても、本質的には逃げの転職です。
つまり、以下のように言うことができます。
逃げか攻めかを分けるのは「転職理由」ではなく「思考の深さ」
逃げの転職の成功確率50%を、100%に近づけるために
正直に言えば、転職に100%の成功はありません。
ただし、
- 自分の経験を言語化し
- より良い人生への仮説を持つ
この2つが揃うことで、「たまたま当たる転職」から「納得度の高い転職」へ確率を大きく引き上げることができます。
逃げの転職は、準備なしだと運任せになります。
でも、逃げる前に考え、言語化し、仮説を立てられた人にとっては、次の人生を取りに行く入口になります。
逃げたかどうかより、何を考えて動いたか
転職で問われるべきなのは、
「逃げたか、攻めたか」ではありません。
「何を考えてその選択をしたか」です。
逃げること自体は、弱さではありません。
考えずに同じ苦しさを繰り返すことが、本当の意味での停滞です。
自分の頭で考え、自分の言葉で整理し、より良い人生の仮説を持つ。
それができた瞬間、あなたの転職は、たとえ始まりが逃げでも、確実に人生を豊かにするきっかけとなります。
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