マネジメントが割に合わない、これからの時代に求められる真のマネジメント
マネジメントが「割に合わない仕事」になりつつある理由
ここ数年で、マネジメントという役割は急激に“割に合わない仕事”になりました。
成果を出しても評価は曖昧。
一方で、問題が起きれば責任だけは明確。
部下に踏み込めばハラスメントを警戒され、距離を取れば「育てていない」と言われる。
結果として、多くの人が学習する。
「深く関わらない方が安全だ」
「面倒な部下は、触らずに流した方がいい」
これは怠慢ではない。
環境に適応した、極めて合理的な行動です。
ただし、この“合理性”には「マネジメント能力がほとんど育たない」という致命的な副作用があります。
本記事では、これからの時代のマネジメントに求められる姿勢や具体的な考え方について、コンサルタントとして社内・クライアントと向き合ってきた視点から深堀り解説していきます。
何も起きない現場では、何も積み上がらない
衝突がないチームは、一見うまく回っているように見える。
表面上は穏やかで、問題も顕在化しない。
だが実態は違う。
- 本音は共有されない
- 期待値はすり合わせられない
- ズレは放置される
「荒れない」代わりに、「深まらない」。
マネージャー自身も、自分が何を学んでいないかに気づけない。
日常業務は回るから、危機感も生まれない。
ところがある日、明らかに扱いづらい部下が現れた瞬間、状況が一変する。
- 話が噛み合わない
- 指示が通らない
- 正論が効かない
そのとき初めて、「自分には打ち手がほとんどない」という現実に直面する。
ここで多くの人は、こう結論づける。
「自分はマネジメントに向いていない」
しかし、それは誤解であり、向いていないのではなく鍛えられていないだけです。
逆に言えば、マネジメントとは鍛えられるスキルであり、現場での試行錯誤以上に効果的な術はありません。
「人を外す」ことは、問題解決ではない
扱いづらい部下が現れたとき、組織には便利な逃げ道が用意されています。
- 配置転換
- 担当変更
- 別のマネージャーに引き渡す
制度的には正しい。
現場の摩耗を防ぐ意味もある。
ただし、それはマネジメントの課題を解いたことにはなりません。
単に、「この人では解けなかった」という事実を積み上げるだけです。
人を外すたびに、マネージャーの選択肢は少しずつ減っていきます。
やがて、
- 扱いやすい人しか見れない
- 想定内の反応しか許容できない
そんなマネージャーが量産され、組織として見れば静かに劣化していきます。
実際、コンサルティングファームにおいては、合わない/バリューを出せない人間はプロジェクトからリリースする、などの措置が頻繁に採られます。
但し、昨今の大量採用を受け、人材の質が劣化している現状においては、中々そうもいかない現実があります。
そして何より、価値を出せない人間を排斥する動きは、中長期的に見れば本人のキャリアと会社にとって確実にマイナスです。
これから価値を持つのは「人を動かせる人」
これからの時代、戦略や知性そのものの価値は相対的に下がっていきます。
情報を処理して考えることはAIが肩代わりできる一方、代替できないものもあります。
- 人の感情を読むこと
- 納得を引き出すこと
- 協力関係を築くこと
- 集団としての生産性を高めること
つまり、マネジメントの中核です。
難しい部下を持つことは、この力を鍛えるための極めて密度の高い訓練になります。
短期的にはしんどい。
しかし、長期的には明確に“市場価値が上がる経験”となり、組織としてもプラスとなります。
マネジメントは「技術」より先に「姿勢」が問われる
多くの人は、マネジメントを技術だと思っています。
- 伝え方
- フィードバック手法
- 1on1のやり方
どれも重要ですが、技術以前に結果を左右するものがあります。
それは、部下をどういう存在として見ているかです。。
- 面倒な人
- 能力が低い人
- 自分を脅かす人
内心で貼っているラベルは、必ず態度や間合いに滲み出ます。
人は驚くほど敏感で、言葉よりも先に「自分がどう扱われているか」を察知します。
一度でも「この人は自分を下に見ている」と感じた瞬間、心は閉じます。
その状態では、どんな正論も、どんな理屈も届かなくなってしまいます。
だからこそ、マネジメントでは、他人を変える前に自分自身の態度や行動を問われます。
人は変えられない。でも、関係は変えられる
「人は変えられない」
価値観や性格を直接書き換えることはできない、という意味でよく言われるこの言葉は半分正しいです。
しかし、関係性が変われば、人の振る舞いは変わります。
- 情報の渡し方
- 期待の示し方
- 立て方
- 頼り方
それらを変えることで、同じ人が、まったく違う反応を見せることは珍しくありません。
重要なのは、「この人は変わらない」と決めつけないこと。
その解釈を選んだ瞬間、自分の行動の幅は一気に狭くなり、相手の行動が変わる余地すら摘み取ってしまいます。
部下ガチャという言葉が、成長を止める
「部下ガチャに外れた」
この言葉は、一見すると共感を呼ぶ内容であり、実際気持ちは分かる面も多くあります。
しかしこの言葉は、マネージャーの思考を完全に止めてしまう、という意味でマネージャーが持つべき視点とは言えません。
- 自分には責任がない
- 環境が悪い
- 運が悪かった
そう結論づけた瞬間、学習も、工夫も、試行錯誤をする余地すら失ってしまいます。
ビジネスにおいて、解釈は行動の上流にあります。
同じ出来事でも、
- 「外れを引いた」と解釈するか
- 「難易度が上がった」と解釈するか
どちらを選択するかによって、未来は大きく変わります。
逃げたくなる局面こそ、価値がある
難しい部下を持つと、毎日が自分の未熟さとの対面になります。
うまくいかない。
消耗する。
正解が見えない。
正直、逃げたい。
だが皮肉なことに、そこでしか得られない経験があります。
- 人を理解する力
- 自分の感情を扱う力
- 組織を前に進める感覚
これらは、安全な環境では決して身につきません。
部下ガチャに外れたのではなく、マネジメントが次のレベルに入っただけ。
そう捉えられたとき、マネジメントは単なる役割ではなく、自分の人生を広げる技術になります。
これからの時代に求められるのは、仕事を完璧にこなすマネージャーではなく、
人から逃げず、関係から逃げず、自分の限界から逃げない人です。
そうしたマネージャーであればこそ、他者の可能性を拡げ、成長し自走する後押しができます。
もし、今向き合っている上司が上記のような方であれば、それは幸運なことです。
一方、そういった上司がおらず悩んでいるのであれば、先ずは自分が良いマネージャーとなれるよう取り組んでみてください。
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