コンサルタントとして活躍するために本当に大切な3つの資質
未経験者こそ持つべき「全てのコンサルタントに必要な力」
普段、社外の方と話をしていると、一般的に「コンサルタント」と聞くと、頭の回転が速く論理的思考力が突出している、高度な専門知識を有する、など、「限られた人間のみがなれる」と言ったイメージが定着していることを感じます。
多くの人が「コンサルタント」という職業に対して持つ印象は、次のようなものではないでしょうか?
• 圧倒的な頭脳明晰さが必要
• 特定分野の深い専門知識が求められる
• 難解な課題を短時間で解決するスーパーマン
確かに、類まれなる知識や頭脳を持つ人が業界にいるのも事実です。しかし、全てのコンサルタントがそういう人たちかというと、決してそうではありません。むしろ、これからコンサルタントを目指す社会人や学生の多くは、「突出した才能」や「専門性」を持たない、いわば「普通の人」です。
普通の人がコンサルタントになれる理由
では、なぜそのような「普通の人」でもコンサルタントになれるのでしょうか?
それは、コンサルタントとして成果を出すために、本当に必要な要素は「誰でも後天的に身につけられる」ものだからです。
コンサルタントに求められる資質
ここでは、未経験者が転職でコンサルタントになるにあたり必要な3つの資質について解説します。
自分の頭で考えられる思考の粘り強さ
コンサルタントが直面する課題は、一筋縄ではいかないものばかりです。クライアントが依頼する時点で、社内では解決できなかった問題であることがほとんど。つまり、「正解がない課題」に向き合うことが日常です。
また、一見解決策が自明のものであっても「現状そうなっていない理由」が存在します。
なぜ「粘り強さ」が必要なのか?
コンサルタントとして仕事を進める上で、重要なのは「自分で仮説を立て、検証し、正しい結論を導く」プロセスを繰り返すことです。与えられたデータや状況だけでなく、何もないところから問題を定義することも求められます。そのため、「自分の頭で考え抜く」粘り強さがなければ、課題を解決に導くことはできません。
思考の粘り強さを養う方法
1. 「Why」を問い続ける
物事の本質を掘り下げる習慣をつけましょう。「なぜそうなのか?」を何度も問い続け、課題の本質に迫る力を養うことが重要です。
2. 仮説思考を鍛える
問題に対して、「まずはこうではないか」という仮説を立て、その仮説をデータや事実で検証する訓練を繰り返すことで、思考力が磨かれます。
3. フィードバックを活用する
上司や同僚からのフィードバックを素直に受け入れ、改善を繰り返すことが、考え抜く力を強化します。
自分事として物事を捉える当事者意識と好奇心
コンサルタントとして仕事を進める上で、「自分事」としてクライアントの課題に向き合う姿勢は不可欠です。
これは、「主体性」や「当事者意識」と言い換えても差し支えありません。
形式的に課題を分析し、提案を作成するだけでは、クライアントが求める本質的な成果を提供することはできません。
当事者意識と好奇心の重要性
当事者意識
クライアントの課題を「自分がこの会社の社員だったらどうするか」という視点で考えることで、課題解決の質が飛躍的に向上します。
何事も「自分自身が解くべき課題である」という意識を持って取り込むことで真の意味での「課題解決」へと繋げることができます。
好奇心
未知の業界や課題に対して「もっと知りたい」「深く理解したい」と思える好奇心が、解決策の幅を広げる原動力になります。
物事の構造がどうなっているのか、より良い解決策や打ち手はないか、と考えるには、何よりもまず興味を持って主体的に取り組む姿勢が不可欠です。
当事者意識と好奇心を養う方法
クライアントの立場に立つ思考実験をする
実際に「自分がこの会社の経営者ならどうするか?」と考えながら、意思決定のシミュレーションを行うことは有効な打ち手になり得ます。
また、規模が大きな企業においては、経営者までいかなくとも、クライアントである事業部門のトップや部署の責任者などでも有効です。
また、思考のトレースや仮説を元にしたクライアントへの基礎的な理解を持っていることで、あらゆる提案や提言のクオリティぎ上がります。
幅広い分野に触れる
一見関係のなさそうな分野の本やニュースにも触れることで、課題に対する視野が広がり、好奇心が刺激されます。
先ずはクライアント企業の事業や手がけるビジネスとその関連領域から日々情報を仕入れる、などやり方は様々ですが、日経新聞電子版などでキーワード検索する方法や情報の出所や根拠には注意が必要ですがSNSでリサーチをかけてみるなど、複数の媒体や手段を併用することで自ずと幅が広がっていきます。
質問を惜しまない
コンサルタントとして初対面のクライアントに多くの質問をするのは普通のことです。恥を恐れず、「なぜこの方法を選んだのか?」「こうしたらどうなるか?」と率直に尋ねる姿勢を持つことも重要です。
ここで大切なのは「必ず自分の頭で考えた仮説を元に質問をする」ということです。
仮説なき質問は単なる興味関心や自己満足と変わらず、貴重なビジネスの時間を割いてくれている相手に失礼になりますし、何よりコンサルタントとして適切な態度と行動とは言えません。
最後までやり切る責任感
どれだけ優れた提案をしても、それを実行に移せなければ意味がありません。特に、コンサルタントに求められるのは「提案書を書くことだけではない」という姿勢です。「やり切る責任感」を持つことで、クライアントとの信頼関係が構築され、成果と自己成長に繋がります。
責任感が問われるケース
困難な状況で踏ん張る
プロジェクトが難航した際に、「もう無理だ」と諦めずに粘り強く対応することが信頼を勝ち取ります。
結果にこだわる
クライアントが成果を感じられるまで伴走する姿勢が重要です。
責任感を育てる方法
期限を守る習慣を徹底する
納期やタスクを確実にこなすことで、「やり切る力」が自然と身につきます。
期限を守らないことで信頼や関係性が一瞬で瓦解することもあります。
仮に、期限を守れない場合は代替案と合わせ早期にエスカレーションすることが肝要です。
ゴールを明確にする
プロジェクトの最終目標を明確にし、それを達成するために必要なことを逆算して行動しましょう。
期限と合わせて、「クオリティ」の部分、つまり最終目標も重要です。
時には期限を伸ばしてでも品質を高める必要があることもあれば、その逆も然りです。
そのため、ゴールを明確に設定してそこを達成するようにコミットする意識が重要です。
周囲と協力する
自分一人で抱え込まず、必要に応じてチームや上司に助けを求めながら、責任を全うする姿勢を持つことも大切です。
「自分でやり切る」ことではなく、「プロジェクトを成功させる」ことが目標であるため、主体的に使えるものは何でも使う姿勢が必要です。
最後に:コンサルタントは誰にでもなれる職業か?
コンサルタントになるために「特別な頭の良さ」や「高度な専門知識」が必須だと思う人は少なくありません。しかし、それ以上に大切なのは、今回挙げた 「思考の粘り強さ」「当事者意識と好奇心」「やり切る責任感」 という資質です。
これらは生まれつき備わっているものではなく、努力次第で誰でも身につけられる力です。未経験からコンサルタントへの転職を目指すあなたも、ぜひこれらの資質を磨きながら新しいキャリアに挑戦してみてください。あなたが一歩を踏み出すその先に、きっと成功の道が待っています。