やらされる仕事は楽しくなくて当たり前

はじめに
「この仕事、なんか楽しくない」
「やらされているだけで、全然やる気が出ない」
そう感じたことはありませんか?
多くの社会人が、入社数年で必ずといっていいほど直面する悩みの一つが、この「やらされ仕事」の苦しさです。
しかし結論から言えば、やらされ仕事は楽であっても楽しくないのは当然のことです。
それはあなたの努力不足でも、忍耐力の欠如でもありません。
では、なぜやらされ仕事は楽しくないのか。そして、それをどう乗り越えればいいのか。この記事では、責任・効力感・創造性といった観点から整理し、最後に「ではどうすべきか」という具体的な対応に向けた考え方をお伝えします。
自主性と創造性が仕事の楽しさを生む
まず、人が仕事を「楽しい」と感じる条件について考えましょう。
心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンの「自己決定理論」では、人間が内的にモチベーションを持つために必要な要素として次の3つを挙げています。
- 自律性(自主性) – 自分の意思で行動できている感覚
- 有能感 – 自分の能力を発揮できている実感
- 関係性 – 誰かとのつながりを感じられること
この中で特に重要なのが 自律性 です。
つまり、人は「自分で決めて、自分のやり方で進められる」ときに楽しさを感じやすい。
さらに「創造性」を発揮できる仕事も同様です。
単なる作業ではなく、自分の工夫が入り、成果に反映されるとき、人は強い充実感を覚えます。
逆に言えば、自主性や創造性が奪われた仕事は楽しくなくて当たり前なのです。
「責任」が楽しさを奪うケースもある
では、すべての責任ある仕事が楽しいかというと、必ずしもそうではありません。
責任が大きすぎると、人はプレッシャーを強く感じ、楽しむどころではなくなります。
例えば、数百億円規模の契約に関する意思決定を1人で任されたら、多くの人は「楽しい」より「怖い」が勝つでしょう。
一方で、責任がまったくゼロの仕事、たとえばアルバイトの軽作業などは気楽にできます。
しかし、ここにも落とし穴があります。
気楽にできることと、楽しいことは別物なのです。
報酬が発生し、誰かに価値を提供する以上、仕事には必ず責任が伴います。
だからこそ給料が発生し、その責任の大きさに応じて給与水準も上がるのです。
問題は、人には耐えられる責任とプレッシャーの限度があるということです。
責任の「限度」は拡げられる
ここで知っておいてほしいのは、責任の限度は絶対的なものではないということです。
最初はプレッシャーで押しつぶされそうに思えても、経験を積み重ねるうちに人は慣れます。
かつては「大きすぎる」と感じていた責任も、やがて「ちょうどいい」になり、さらに「物足りない」と思うようになる。
つまり、責任に耐えられる力は経験と慣れによって拡げることができるのです。
この成長の過程を飛ばしていきなり大きな責任を背負えば潰れますが、少しずつ拡げていけば、人は驚くほど成長できる。
だからこそ、「今の自分にとって責任が重すぎる」と感じるなら、それは能力不足ではなく、単に経験の段階に過ぎないのです。
やらされ仕事が楽しくない理由
では改めて、「やらされ仕事」が楽しくない理由を整理してみましょう。
- やる意味がわからない
- ゴールや目的が見えないと、人はモチベーションを失います。
- 「なんのためにこれをやっているのか?」が説明されない仕事は、どんな人にとっても苦痛です。
- 決定権がない(自己効力感の欠如)
- 自分で決められない、工夫の余地がないとき、人は無力感を覚えます。
- 自己効力感が低い状態では「やらされ感」が強まり、楽しさは消えてしまいます。
- 創造性を発揮できない
- 「マニュアル通りにやっておけばいい」となると、単なる作業になってしまい、やりがいを感じにくくなります。
- 評価やフィードバックがない
- どれだけ頑張っても誰にも気づかれない仕事は、意味を見失いやすい。
こうした要素が重なると、やらされ仕事は「楽しくない」だけでなく「苦しいもの」になってしまうのです。
じゃあどうすればいいのか?
では、やらされ仕事を前にして、私たちはどう向き合えばいいのでしょうか。
1. さっさと終わらせる
やらされ仕事は「意味がわからない」「自己効力感がない」からこそ楽しくありません。
ならば、だらだらと時間をかけるより、最小の労力で最大の成果を出し、さっさと終わらせることが正解です。
その分の時間とエネルギーを、自分がやりたい仕事や創造的な仕事に投下しましょう。
2. 自分なりの創造の余地を見つける
どんな仕事にも工夫の余地はあります。
- 作業を効率化する
- 新しい視点を取り入れる
- やり方を変えてみる
たとえば「データ入力」という単純作業でも、マクロを組んで効率化したり、データの傾向を読み解いたりすれば、自分なりの創造性を発揮できます。
3. 新しい観点を持ち込む
「やらされている」と感じる仕事こそ、既存の枠組みを疑うチャンスです。
「このプロセスは本当に必要なのか?」
「もっと別の方法はないのか?」
そうした問いを立てることで、やらされ仕事を「改善の余地があるテーマ」へと変えられます。
4. 成長のためのトレーニングと捉える
やらされ仕事の多くは、基礎的なスキルや知識を身につける訓練でもあります。
一見退屈に見える作業も、「責任に耐える力をつけるトレーニング」と捉えれば、意味を見出せます。
やらされ仕事から学べること
やらされ仕事は楽しくありません。
しかし、楽しくないからこそ、そこで得られるものも確かに存在します。
- 忍耐力 – 楽しくなくてもやり遂げる力
- 効率化の視点 – どうすれば早く終わらせられるかを考える力
- 改善意識 – 無駄を見つけ、仕組みを変える力
- 基礎スキル – 報告・連絡・相談、資料作成などの基本
これらはすべて、将来大きな責任ある仕事を担うための土台です。
だからこそ、「やらされて楽しくない」と感じること自体は自然ですが、そこに意味を見出すかどうかはあなた次第です。
終わりに:楽しくないのは当然、でも活かし方は自分次第
やらされ仕事が楽しくないのは当然です。
それは人間の心理構造上、当たり前のこと。
しかし、だからといって投げ出す必要はありません。
- さっさと終わらせる
- 自分なりの創造の余地を見つける
- 新しい観点を持ち込む
- 成長のためのトレーニングと捉える
この4つのアプローチを意識すれば、やらされ仕事も「意味のある時間」へと変えることができます。
やらされ仕事を避けることはできません。
でも、その受け止め方次第で、自分の成長曲線は大きく変わります。
「楽しくない」と嘆くのではなく、
「どう活かせるか」と問い直すこと。
その積み重ねが、やがて自主性と創造性を発揮できる仕事を引き寄せ、キャリアを豊かにしていくのです。
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