コンサルタントに必要な資質

自分の頭で考えられない部下やチームメンバーとの付き合い方とマネジメント方法

tsumakawa

コンサルタントとして、あるいはチームリーダーとして直面する課題の一つに、「自分の頭で考えられない部下やチームメンバー」との向き合い方があります。

コンサルタントは本来、自ら課題を定義し解決策を見出す役割を担いますが、現場では「指示がないと動けない」「考えるより先に聞いてしまう」といったメンバーが存在することも事実です。

そこで重要なのは、「なぜ自分の頭で考えられないのか」を見極めることです。

その原因によってアプローチやマネジメント方法を適切に調整することで、チーム全体の生産性を高めることが可能です。

本記事では、原因をいくつかのパターンに分類し、それぞれに応じた具体的な対応策を解説します。

原因別:自分の頭で考えられない理由と対策

1. 経験不足やスキル不足

特徴

知識や経験が不足しており、自信を持って判断できない状態。

新卒やキャリアチェンジ直後の社員に多く、物事に対して考える基本的な型が定まっていない場合によく見られます。

具体例

「この案件の背景が分からないので、何を考えればいいのかも分かりません」と発言するなど、自分の意見を持つこともできない。

対応策

教育とガイドラインの整備

必要な知識を提供し、判断の基準を明確にします。

例えば、似たプロジェクトの成功例や失敗例を共有すると、「まず考えるべき方向性と何をどの順番で実施すべきか」という道筋を示せます。

段階的なタスクを与える

小さな成功体験を積ませることで、自信をつけさせます。

難易度が高すぎるタスクをいきなり与えるのではなく、「事実を集める」「分析し示唆を出す」「提案する」の順番で進めます。

2. 指示待ちの習慣が染み付いている

特徴

過去の環境で「言われたことをやる」だけの仕事を続けてきたため、自分で考える癖がついていない。

具体例

「具体的に何をすればいいのか、最初に教えてください」と要求する。

対応策

問いかけを活用する

具体的な答えを教えるのではなく、「この問題の原因は何だと思う?」「どうすれば解決できる?」と問いかけ、考えるプロセスを促します。

例: 「今回の分析に必要なデータは何だと思う?」と質問し、思考の幅を広げる。

行動の結果を振り返らせる

その選択をした理由」と「結果をどう見るか」を振り返る時間を設けます。

これにより、ただの指示実行から脱却し、自律的な判断ができる土壌を作ります。

3. 心理的安全性の欠如

特徴

失敗を恐れて積極的に考えたり意見を出したりすることができない。

具体例

「間違っていたらどうしよう」と言う考えが先行し、やるべきことが進まず、仕事を進めることよりも失敗をしないことに主眼が置かれている。

対応策

心理的安全性を確保する

メンバーが自由に意見を出せる雰囲気を作ります。

自分なりの考えや物の見方を「発信すること」を重要視し、間違いを責めず、意見を称賛する姿勢を示すことが鍵です。

例: チームミーティングで「どんな意見でも歓迎」と明言し、実際にそれを実践する。

失敗の価値を教える

「間違っても次に生かせればOK」という文化を定着させることで、考えること自体への抵抗感を軽減します。

過去のプロジェクトでの「大失敗から学んだ教訓」を共有するのも効果的です。

4. モチベーション不足

特徴

仕事に対する興味ややる気が低いため、考えることに労力を割こうとしない。

具体例

別に私が考えなくても、誰かがやるからいいや」という態度であり、最終的に同僚や上司が仕事を巻き取ってくれることを前提にタスクを進めている。

対応策

目的意識を共有する

プロジェクトの全体像や自分の役割がどれほど重要かを具体的に説明します。

例: 「この分析が成功すれば、クライアントの売上が数十億増える可能性がある」とクライアントにとってのバリューを伝えたり、分析手法を身につけることで市場価値やスキルの成長など、本人の目標に繋がることを伝える。

パーソナルな動機を探る

個人のキャリア目標や興味に寄り添ったタスクを割り当て、関心を引き出します。

例: 数字に興味があるメンバーにデータ分析を任せる。

5.チームやリーダーへの不信感

特徴

リーダーやチームに対する信頼が低いため、考えを共有することに消極的。

具体例

「どうせ自分の意見なんて否定されるから」と意見を口にしない。

対応策

透明性の確保

リーダー自身の考えやプロジェクトの進捗をオープンにすることで、信頼を構築します。

例: 定期的な1on1ミーティングで、率直な意見交換を行う。

公平なフィードバックを行う

誰かを特別扱いするのではなく、すべてのメンバーに対してフィードバックを平等に行います。

共通して重要な考え方

部下やメンバーが「自分の頭で考える」ようになるためには、リーダー自身の姿勢も大きな影響を及ぼします。

以下の要素を心がけることで、チーム全体の成長を促進できます。

1. 成功だけでなく過程を評価する

考えたことが失敗しても、プロセスそのものを称賛し、次に生かせるようにする。

2. 「考える時間」を確保する

緊急タスクが続くと考える余裕を失います。定期的に「振り返り」の時間を設けることが大切です。

3. リーダーも意見をアップデートし続ける

メンバーに「考える」ことを求めるなら、リーダー自身も学び成長し続ける姿勢を示す必要があります。

まとめ

「自分の頭で考えられない部下やチームメンバー」との付き合い方やマネジメントには、原因を見極めたうえで適切な対応を取ることが必要不可欠です。

重要なのは、「すぐに結果を求めない」こと。各メンバーの成長速度や課題は異なるため、長期的な視点で支援し続けることがチームの成功を後押しします。

リーダーとしての役割は、メンバーの「考える力」を引き出す環境を作り、それを育てることです。

それが結果的にチームの生産性を高め、プロジェクト成功へと繋がります。

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経営コンサルタント
外資系コンサルティングファームで経営コンサルタントとして働く30代。 これから「コンサルタント」というキャリアそして人生を目指す学生、社会人に向けコンサルタントという世界で生き抜くための考え方やおすすめの書籍情報を執筆中。
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